SEがハードウェア選定の際に気を付けるべき事!

兄「さてと……」

妹「お兄ちゃん、何を作ってるの?」

兄「ああ、これはシステム提案書だよ。ハード込みの見積もりが書かれてる」

妹「どれどれ……高ッ!?」

兄「ソフトウェアを作るのにお金がかかる。ハードウェアの選定と購入にもお金がかかるからね」

妹「ハードって、このQRコードリーダーとか、サーバ機とか四台のパソコンとか?」

兄「そうそう。ソフトじゃなくお買い物をするところだね」

妹「これなら……私がアマゾンで買う方が安くない?」

兄「そりゃ安いよ……。でも、機種選定にも時間を使ってるからね」

妹「ソフトだけ買うって言うのは無いの?」

兄「そういう時もある。でもシステムのインストールや設定の手間をかけるよりは製品として一括って方が無難だよ」

妹「そういうものなのかな」

兄「例えば予備品だけど。そのシステムを作っている場合、ハードウェアメーカーが零細で安くQRコードリーダーを作ってたとする。当然、スペックに書かれている物は同じ。ハードウェア選定だと、そっちを選んじゃいそうだよね」

妹「安くて同じ機能ならそっちを選ぶよね」

兄「でも実際に、その機器が最大限のパフォーマンスを活かすためのデバイスドライバやAPIの差により思ったようなスペックが出なかった場合、誰が責任を取るか。ハード一括ならシステム構築者の責任、ハード別なら責任を問いづらいよね。こういう仕組みでアクセスしますよ、という設計もできているはずだから」

妹「でも、パフォーマンスが出る場合もあるでしょ?」

兄「十年後に故障した時に、そのメーカーが後継機を出してくれるかどうか。ここもポイントだね。サポート対応が良く、このAPIを使える後継機が出る予定か?と問い合わせてから買うんだ。その会社がどう考えるかにもよるよね。例えば、このAPIは旧シリーズで、サポートはもうすぐ打ち切られます。こっちのAPIがこれから使われる予定です。そういう情報も集めてから買うんだよ」

妹「面倒くさそうだね……」

兄「うん、中には何も考えずとりあえず買っちゃうか!としてスタートする所もあるけど。うちのフォーマットには、十年後に使用可能か、という項目がある。あとは寿命をどの程度で迎えるか、という問い合わせもするよ。カタログスペックにはないけど、工場試験では必ずやっているはずだから。それにあわせて予備品を買う。ロングランで取引をしている所以外には漏らさない情報も掴んでいる事も多いからね。餅は餅屋。システム構築者がシステムで気になる点を問い合わせてハード一括で頼む方が無難なんだよ」

妹「プログラムだけじゃないんだね」

兄「プログラミングの能力は必要だけど、こうした動き方が後々の信用につながる。もし、交換部品がありません。後継機もありません。リプレースです、お金ください、とか言っちゃうと……相手をそれに足る理由があり納得できなければ大きく評価を落としちゃうからね」

妹「考える事がいっぱいあって大変だねっ」